曇天は呵う

取り留めのない嘘を
繕うように束ねた
偽善を許す空(から)の
降り出す雨の前に

呵う、呵う

其処に飾られていた
優越と自己承認が
見つかる前に嘘を
見つける前に幻を

呵う、呵う

白を偽った濁りは曇天に擬態して

雨の 匂い
ふやける 感傷
何も ない振り
白を 纏う振り
罪が 抜けない
罪から 抜けられない
あざとく 濁った 光の中で

ただ無情に声を荒らげて

呵う、呵う
白を偽った濁り色の曇天は
呵う
白を偽った濁りは曇天に擬態して
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