恋月

窓には三日月 寝化粧の
鏡の奥まで あなたが匂う
待ちくたびれて 恋やつれ
街の灯りも 夢やつれ 夢やつれ
「一緒になろう」と 口癖の
嘘に微笑む 不幸ぐせ

あの夜(よ)は新月 暗闇で
初めてあなたの 優しさ知った
愛して欲しい ほつれ髪
濡れたまんまの 洗い髪 洗い髪
何度も何度も もぐり込む
胸で一夜(ひとよ)の 舟になる

優しいあなたが 好きだけど
誰にも優しい あなたが嫌い
男は誰も 解らずや
もっと女は 解らずや 解らずや
都会の川面に 砕け散る
月はおんなの 恋姿
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