海辺のできごと

フロントガラス越しの雨染みを指でなぞってみる
冷たい感触とだけいま戯れあってる
国道の上を跳ねる枯葉たちは
次はどの街へ行く 風よ 私の心も運んで

誰かが退屈しのぎに落ちた恋が
灯した明かりで彩られていく夜は終わり迎え

あなたがくれた言葉を朝の光が溶かして
想い出も忘れ始めて涙の色さえ変わっていく
貝殻を集めていた二人は浜辺で悟る
次のさざ波 足を濡らしたなら 街へと帰る合図

コーヒーカップの縁 こぼれたミルクのあとを撫でる
あなたの指先はいま誰の頬の上

いつしかこのひねくれた心も眠り始めるくらいに
眩しく光ってる愛を見つけて

僕らが口ずさんでた昔流行った歌には
恋人が出会い別れる 海辺の描いた筋書き
かわされてた言葉たち 冷えた季節の途中で
毛布のようにいつまでも消えずにあたためてくれるでしょう

時間の波は元に戻すことはできないけれど
確かにこの心には揃いの形の穴ぼこがあって

あなたがくれた言葉を朝の光が溶かして
想い出も忘れ始めて涙の色さえ変わっていく
貝殻を集めていた二人は浜辺で悟る
次のさざ波 足を濡らしたなら 街へと帰る合図

(くだらないジョークのつもりで
君の手をとって走り出しって そして始まっていく暮らし)
×