アルプス一万尺

昔々から
人々は山を登らずにはいられませんでした。
そして登りゆく中で、沢山の歌が生まれていったのです。

アルプス一万
小槍の上でアルペン踊りを さぁ踊りましょ
お花畑で昼寝をすれば 蝶々が飛んできてキスをする
キャンプサイトにカッコウ鳴いて 霧の中から朝が来る

蝶々でさえも二匹でいるのに なぜに僕だけ一人ぼっち
山のこだまは帰ってくるけど 僕のラブレター返ってこない
山は荒れても 心の中は いつも天国 夢がある
命捧げて恋するものに 何故に冷たい岩の肌

ザイル担いで穂高の山へ 明日は男の度胸試し
穂高のルンゼにザイルを捌いて ヨーデル唄えば雲が湧く
西穂に登れば奥穂が招く まねくその手がジャンダルム
槍の頭で小キジを撃てば 高瀬と梓と泣き別れ

いつの時代も手が届かない
そんな山ほど焦がれてやまない
恋路だろうが 夢路だろうが
己のアルプスいざ行かん

焼け付く暑さ 凍える寒さ
それでも進めよ一万尺
ここに勝ち負けは無いのさ
見晴らす景色が全てさ

アルプス一万
小槍の上でアルペン踊りを さぁ踊りましょ
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