部屋

君を思って片づけた部屋
まだ静かに片付いたまま
脱ぎ捨てた服の温もりは
もうとっくに失くしたけど

あの日のこと
あの日々のこと
遠く感じて
わずかに残った記憶の間で
ただずっと息を止めてしまう

綺麗にまとまったこの部屋に
君がいないことがただずっと可笑しくて
面白くないよ、ねえほら笑えないんだよ
埋まりそうにないな君がいた場所はこのまま

昔とった写真も
思いが籠った手紙も
ちゃんと閉まっておいてあるんだよ
僕のことだから
捨てられはしないな
一人だけだからもう散らかることもないな

さよならの声が残ったこの耳に
静まり返ったここはどうも落ち着かなくて
君がいた場所に指を這わせ焦がれてみた
変えれそうにないな好きだった思いもこのまま
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