THE ORCHID GREENHOUSE

朝焼けが鮮やかすぎて
私には痛かった
安易すぎる夢は楽しかった
新しくはもう描けない

一緒に来てよ
約束したでしょう?
同じ速度で
私の声を聞いて

私、あの時
初めて生まれたんだ
十五の夏だった
声が聞こえた、応えた
それが言葉だって解ったから
温室の窓を放って飛び立つ魂に
声を与えてくれたあなたを
独りにはさせない

新しく見えた世界の
広さが怖かった
地下鉄への乗り換え方も知らない
臆病者だけど

伝えたいこと
たくさんあるわ
ずっと同じ温度で
私の言葉、聴いて

いつの間にか
あなたを追い越した
二十歳の秋だった
声が震えた、溢れた
二度と戻れないと解ったから
温室の夢も香りも忘れたとしても
私を解き放ったあなたをきっと
忘れたりはしない

あの日と同じ朝は来ないわ
いま私はいつかのあなたよりも
大きく育って 一人で歩き出すよ

ああ今更
気づいてしまったんだ
愛していました
涙に変わった、溢れた
それが別れだって
わかってしまう
温室の窓で教わった歌 覚えた歌
私を解き放った
あなたはいま
そして自由になる
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