愛が目の前に現れても僕はきっと気付かず通り過ぎてしまう

誰かを嫌いと思えるうちは、誰かを好きとも思えるもので
僕は誰も好きでもないし嫌いでもないんだ
誰かを憎んで流す涙は、誰かを愛して流す涙の
ただの色違いのようなもんで同類項だ
僕は涙すらもう出ないよ

膝を抱えて人間不信なんて嘆いていても
まだ誰かを信じたいと思ってる
裏返し 裏返し 表の裏の 裏の表
僕は端から誰も信じていないから、人間不信にすらなれないな

愛が目の前に現れても、僕はきっと気付かず通り過ぎてしまう
悲しみを悲しみと思えるうちに、誰かに恋焦がれていればよかったな
愛が君の方を振り向いたら、君はそっとその手で抱き締めてほしい
僕が僕を諦めたように、君は君を諦めないでいて
やめないでいて、消えないでいてね
思い出して、闇の中で
忘れかけて、忘れられなくて
僕を連れて季節は巡っていく
何も無くて、何も無くて、心が光っていく
夜風を捕まえて、飛び去るように

僕はいつしか獣に成り下がっては、人間風情に戻れないや

愛が愛じゃなくなった日には、この世全部涙でぼやかしてほしい
あれ以上はもう何もかも誰も彼も、
見ないように触らないようにすればよかったな
愛を見失ってしまった夜は、そのままの君で眠り続けてほしい
僕が愛を夢見てたように、君は夢から目覚めないでいて
冷めないでいて
×