比叡おろし

京都の町が 淋しくなる
人も疎らな 比叡おろしの頃
いつもは恋の街 木屋町も
あなたと歩いた鴨川も
いまはひっそり 風の中

山菜茶屋を通りぬけ
女ひとりで比叡おろしの頃
路ゆく大原女に目をふせる
悲しい思い出は寂光院
女の悲哀は今日もまた

もうじき春ですね もうじき春ですね

嵯峨野の小路白く雪化粧
恋を求めて比叡おろしの頃
池のほとりの大覚寺
竹をくぐれば直指庵
たどる恋路もゆきどまり

もうじき春ですね もうじき春ですね
優しい春ですね 優しい春ですね
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