一泊二日

誰かにわたし 見られてないか
駅の階段 急ぐ足
理不尽(りふじん)だから 垣根を越えて
理不尽だから 燃える恋
ふたり旅する 一泊二日
宿に着くまで あゝ 他人です

二年の月日 ただひっそりと
逢瀬(おうせ)かさねて きたふたり
それだけだって いいはずなのに
火を踏む思い ひとすじに
川のせせらぎ いで湯の宿は
待ってこがれた あゝ 夢一夜

想い出に降る 小雨の音を
聴けばせつなく 夜が更ける
つけても口紅(べに)は すぐ落ちるよと
鏡の中で 肩を抱く
こころ華やぐ 一泊二日
わたしきれいに あゝ 見えますか
×