ひえつき母恋唄

茜夕焼け 赤とんぼ
野菊摘みする 母ひとり
故郷(くに)の夜空を 染めちょる色は
今日も都と おなじ月
見上げて… 見上げて いるだろか

庭の山椒の木
鳴る鈴かけて ヨーオーホイ

軒に吊るした 干し柿が
揺れて寒々 冬ごもり
暮れの帰りを 待っちょるからと
母の便りが なつかしい
瞼に… 瞼に 雪あかり

国見岳から 棚田へと
春の息吹(いぶき)が おりて来る
細いからだで 無理しちょらんか
抱いてやりたい お母さん
桜の… 桜の 木の下で
×