恋花火

人が集う汀に
微かに打ち寄せる波音

ポンポンと空砲が
静寂をかき消し
始まりの予感にトキメク

一瞬の閃光を
放つ花びら
水面に揺れる
光の花束

何時迄も
打ち上がるように
キミへの想いは
続いていく

風が少し吹きだし
波間の灯りさえ溶けだす

そろそろと人びとは
帰り支度を始め
大輪の花火に振り向く

まだキミのことを
良く知らないかも
しれないけれど
隣で時々言葉を選ぶように話してくれる
誰かとの思い出話を好きになりたい

最後の閃光を
放つ花びら
水面に消える
切なの花束

誰よりも
キミとの時間を
大事にココロに
刻んでいく
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