アウトサイダー

走り出した
僕は未だ夏を好きになれないんだ
アウトサイダー
そっと 散りゆく火花

「晴天だって!」
胸が高鳴った
自転車で風を切る
バス停周り、向日葵はいつもより背が低かった

流るる噂と塩素と群青
このままダラダラしてたら
ほら 置いていかれるよ

走り出した君が笑った
残酷な魔法みたいな
キラキラ光ったあれはなんだったんだ
夏風乗って
この気持ちを伝えることができたなら
アウトサイダー
ちょっと期待する火花

満員電車
胸は高鳴ったまま 隣街まで
恥ずかしそうに落ち合った僕たちは
ただ 黙ったまま
ハッとしたんだ
素直になるなら今なのに
定刻通り打ち上がる花火
どこにもいなかった

忘れられないよ
空蝉の君を

足を止めて虚しくなった
アスファルトの上 こいにおちた

走り出した
その気持ちは名前をつけられないまま
アウトサイダー
そっと褪せばむ火花
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