夜散歩

窮屈な空 星は見えず
街は眠る 月だけ置いて
退屈な指 タバコの煙
いつも違う 二人の匂い

胸の奥に しまった声
逃がすために イヤホン外して
湿った風 えりあしなでて
ペタペタゆく サンダル履きで

偉そうに進めと光るアオイロに
腹立てて ちょっとだけ遠まわりして

夜の中を歩く 疲れて眠るまで
UFOに照らされて連れ去ってくれるまで
夜の中を歩く 眠れないのは何故
あんたのこと あんたとのこと
忘れられるまで

なんてね 嘘だよ 夢だよ

朝の手前の 泣き虫なキリン
夜の出口を くぐってゆきます
まわる看板 ご機嫌いかが
きっと笑って しまいます

祈るなら 今にも消えそうな星屑に
願うのは ちょっとだけ天気になあれ

夜の中を泳ぐ 息がつづくまで
寝ぼけクジラ 呑み込んでくれるまで
夜の中を泳ぐ 眠れないのは何故
あんたのこと あんたとのこと
もう忘れて

夜の中を歩く 涙流れるまで
忘れたことさえもきれいに忘れられるまで

なんてね 嘘だよ 夢だよ
ごめんね なんてね 嘘だよ
もう朝だよ
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