未来神話

これはずっと昔の地球の話
今よりもっと不便で暮らしにくいのよ
歩かないと誰にも会いにはゆけず
ボタンひとつじゃ何も解決出来ない世界

そんな暮らしをしていたなんて
信じられないでしょう この時代でよかったわ
緻密な機械を操る僕らは
何でも手に出来る 便利な世界

怠けて肥大した体に見合わない心
骨も知能も退化し無機質な生物
花も草木も枯れ果て 煙立ち込めて
動物の鳴く声 季節の匂いも忘れ

こんな暮らしが当たり前になり
不思議なことひとつ
「アイ」だけ手に入れられない
昔は身近に溢れていたらしい
僕も触ってみたい「アイ」とやらに

100年に 1度の朝焼けが
幻の「アイ」を降り注ぐの
一筋の雫こぼれ落ちて
言葉にならないこの感覚

不思議と懐かしい
愛を浴びて
僕も昔の様に
愛に溢れた世界で
機械なんかより心を全部
使いこなして生きてたいな
僕は心で生きたいな
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