過失

背表紙を 見ただけで
読まなくても わかる
捲るほど 辻褄が
合わない恋でした

ありふれた倖せに
近づいてもなぜか
突然のつむじ風
ページを折りました

口にすればきっと あなたを困らせる
この苦しみは よくある過失
夢を見ればきっと 夜明けは寒すぎる
まださみしさに 慣れてはいない

渡るには遅すぎる
点滅だと気づき
追いかけるその前に
心を止めました

欲張りな唇を
悟すより今夜
好きなだけ頬伝う
涙に決めました

優しさにもきっと 言葉を詰まらせる
また傷になる いまさら自覚
間違えればきっと どこにも戻れない
空約束は 罪になるもの

口にすればもっと ふたりは責められる
この成り行きは よくある過失
愛となればもっと 渇きは仕方ない
でも気休めで 生きるのは無理
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