海の恋女房

海があんたの 仕事場ならば
浜で待つのが わたしの仕事
網を御神酒(おみき)で 清めたら
あとは写真を 腹に巻き
行ってらっしゃい 荒くれ海へ
夢を追いかけ 追いかけて
暴れておいで

強さ譲らぬ あんただけれど
いのち分け目の 漁場はひとり
波は噛みつき 風は哭(な)き
沖は寒かろ 辛かろう
できるものなら 鴎になって
網を捲(ま)きたや 捲きたや
あんたとふたり

風にたなびく 大漁旗を
陸(おか)で見つけて かけてく港
熱いお酒と この腕で
あとは温めて あげましょう
揺れる板子で あんたが笑う
踊る銀鱗(ぎんりん) 銀鱗(ぎんりん)
お帰りあんた
×