冬運河

女がひとり 乗る舟は
折り紙細工 紙の舟
誰か 誰か
誰か心に 抱き止めて
沈んだならば 身も凍る
憂き世と言う名の 冬運河

何度か恋の 時化に遭い
舳さえ折れた 紙の舟
なんで なんで
なんで男は 罪つくり
なじんだ酒に 酔いしれて
今夜も流れる 冬運河

女が夢を 載せるには
これでも足りる 紙の舟
誰か 誰か
誰か私に 手を貸して
二人で漕げば 海に出る
憂き世と言う名の 冬運河
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