正夢

あれから片方の 夫婦茶碗になりました
湯呑みがわたしを 上目使いで見ています
「もうすぐ帰る」と 留守電に残る声
聞きたくなるの 夕暮れ時には
そよ吹く気配に お帰りなさい
今夜は 抱きしめて正夢で…

お薬なんかより わたしの嘘が効いたのね
泪を浮かべて 無理に笑ったあなたです
ひと足お先に 向こうで待ってると
悪い冗談よ いい加減にして
本当はすべてを 分かってたのね
気付けば ついて来るひとつ星

元気になれなくて ゴメンと肩をふるわせて
あなたは遥かに 夢は彼方に消えました
指先撫でてる 温もりに頬寄せて
まぶたを閉じて 夢で逢えたけど
泪におぼれて 目が覚めるから
ふたりは 永久(とこしえ)に正夢で…
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