ワンルームヒストリー

2人の為の 部屋の灯りは
灯されはしないけど
赤い丸つけた 壁のカレンダー
寂しそうに見える
心をずっと 独り占めして
本当にごめんね
口紅の色がそんなにも
濃くなっていたんだね

大声で笑うとこも
あくびをする顔も
今 目の前には無いけど
髪に触れる
白い雪が綺麗すぎたんだ
忘れられそうもないから

雪が降って君を思い出す
積もった思いは溶けだす
薄れていく記憶 心に残ったままで
寒いねって君が笑い出す
かじかんだ心が解け合う
そんな日々が懐かしい

飲みかけの紅茶 寂れたギター
埃まみれの靴
破れたレシート
脱いだままのシャツ 君の匂い

この部屋も君の事も残っているから
今夜は冷えたな
季節外れの 初雪が 僕の街に降った
君の住む街は どうだい?

君が笑っていればいいんだよ
幸せならそれが全てだよ
その横に僕が似合わなかっただけだ
2人で買った 家のシャンプーが
1人だと少し 多いから
君の匂いが抜けない

夢が叶って君が笑ってる
画面越しでそれを知る僕
左手の薬指が気にはなるけど
雪が降って君を思い出す
この部屋にはもう
さよならしようかな
今宵も雪が綺麗だ
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