散瞳

溢れた手に怯えている
君の手は何を掴んだ?
ただ腐ってくの?
列成す能面
取り残されて

凹んだ球面に零れ落ちて
逆様になる一瞬を
気付かないふりしたんだ

聴こえない歌が弾け飛んだ朝
君の名前 飽きるほど
窓の向こうに繋いでいたら
美化は気化し無駄に灰色なノイズが走った
今日も充満した花のような雨です
笑ってよ
君を忘れていく世界を
跳ね返してくれよ!

気付かないふり しないで!

聴こえない歌が弾けとんでった
花は染まった
凍り付いた逆光ひっ掴んでおいでって
見えないくらいが良いったってさ
僕はぐらつくんだ
煌々充満した
花弁の雨が止まないんだ
ぎこちない小指で世界を
抱きしめてくれよ
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