母恋しぐれ

ひとり夜更けの 燗冷まし
手酌で乾したら 鳴く汽笛
遠い故郷(ふるさと) 母さんへ
書いた手紙も 出せずに二年
つらいこの胸 叩くな雨よ
窓辺に降ります 母恋しぐれ

星がまたたく 空の下
母さん今頃 冬支度
耳をすませば 聞こえます
お国訛りの 北風夜風
夢を抱いても 心が寒い
寝返る隙間に 降る恋しぐれ

風が落ち葉を 転がせば
必ず明日は 晴れになる
世話になるより 世話をする
そんな心が あなたの教え
夢で帰れば 枕が濡れる
想い出温める 母恋しぐれ
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