ほら、また

麗らかな日射しに包まれ始めた季節
北の雲へと渡り鳥は飛んでゆく

南から梅の花を咲かせに届く風に
街と人も少しずつ色染めてゆく

耳を澄ませば聴こえてくる 春の優しき音が 今その胸の中に

風に吹かれて 軽快なリズムで
走り出そう ほら影が伸びてゆく
君も一緒に唄わないか?

弟は卒業を前に別れと出会いを歌う
僕は知らない人の中で牛丼を食べている

父と母は春が来たのも知らないで
言葉もかわさず ずっとケンカをしている

たまには二人手をつないで 口笛吹けば あの日のメロディーが

風に吹かれて 空を見上げれば
忘れかけたものに また影が伸びてゆく
君も一緒に笑わないか?

桜の下で歌うのは 少し恥ずかしいけれど
笑えるならどこでもいいや さあ 今日ぐらい時間も忘れて
堅いネクタイ ハチマキにして

LaLaLaLaLa…
ほら また影がのびてゆく
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