Stippling

淡い三日月の夜、風が筆を走らせて
薄紅の雨を写し出した景色眺める

この世は孤独と刹那の
重なることのない雫の斑か
それでも……瞳は滲んで
一つ一つの色を混ぜていくのだろう

風が吹き込むほどの
隙間なら気付かれない
春の嵐に包まれ、傍にいるうちは

誰もが留めたいと願い
重なる時を閉じ込めた琥珀を
集めた……いくつもの欠片
セピア色しか描けないと気付くだろう

交わらない無数の道さえ
流れ行く河、そのほとりで
並ぶこともあるなら……

この世は孤独と刹那が
描く点描の絵なのだろうか
それでも……瞳は求めて
春の嵐の様に
数多の色達を混ぜていくのだろう

薄月の夜の道
付かず離れずの影も
少し離れて見たなら
一つに見えるだろう
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