海底の修羅

墓場を出て丘をくだる
流れをくだる
舟はもういらない
わたしが舟だから
海底だと思っていたのは
頂だったのだ
不知火海
墓にするには浅すぎる海
陽が霧のように溶けこんで来たので
天と海が そのとき
ゆるりと入れ替わったのだ

墓場を出て丘をくだる
流れをくだる
舟はもういらない
わたしが舟だから
わたしが舟だから
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