虞美人草

この世はひとり あなただけ
貴方が死ねば 私も終る
さまよう蝶々を 迷わせて
ルラルララ ルラ
赤い炎(ほのお)で 焼きつくす
虞美人草は 業(ごう)の花

静かな雨に ぬれながら
それでも花は 妖しく匂う
虞(ぐ)や虞(ぐ)や 汝(なんじ)を如何(いか)にせん
ルラルララ ルラ
遠い昔の ため息を
いま呼び返す 艶の花

藤紫(ふじむらさき)の 稲妻(いなづま)が
光れば落ちる 哀れの雄花(おばな)
すてられながらも しがみつく
ルラルララ ルラ
恋の下僕(しもべ)を 見て嘲(わら)う
虞美人草は 崖の花
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