余薫

幸せになってね
元気でやってよ
ごめんね好きだったけど
もうおわりみたいだから
全部上の空で
聞いていた私を
なだめるようにして
あなたはでていったんだ

お揃いのピアスも
覚えてる日付も
仕草や笑った顔も
好きな音楽さえも
あなたと一緒に
なくなった気がして
手を伸ばしてみたけど
もうなにも見えなくて

待ち合わせに少し早く来てるあなたを
遠くからみてるのが好きで
背伸びして頼んだコーヒーとか
わざと小さめにあるく歩幅
笑うときにちょっとあがる唇も

癒えることのない傷を
消えることのない愛を
褪せることのない色を
変わることのない私を

あなたと買った桔梗は枯れてしまったから
新しいのを買ったの
青い小さい花よ
花瓶に流れる一滴の粒が

貴方には何色に見えたの?

透明な声は空を切ったまま

癒えることのない傷を
消えることのない愛を
褪せることのない色を
変わることのない私を
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