泪酒

惚れたわたしが わるいのか
だってあの人 わるくない
あの日馴染みの 止まり木で
も一度も一度 温(あたた)めて
薄いしあわせ 二合の徳利
おんな一途の 泪(なみだ)酒

泣いて飲み干す ぐいのみに
未練つぎたす 夜の雨
咲いて悲しい おんな花
も一度も一度 抱きしめて
悪いうわさを 吐息でつつみ
嘘がこぼれる 泪(なみだ)酒

わたし、今でも しあわせと
酔えばつぶやく ひとり言
ゆめと添寝の 腕まくら
も一度も一度 眠らせて
忘れられない 面影抱けば
惚れた弱みの 泪(なみだ)酒
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