米原の雪

あなたに逢いたい それだけなのに
車窓(まど)に振りつく 白い影
託(たく)すしかない レールの上で
暗い予感は どうして当たる
降り止んで 積もらないで
願っても ああ祈っても
逸(はや)る気持ちを 諫(いさ)めるような
三河安城 米原の雪

世間の噂は どうでもいいの
揺れるあなたが 怖いだけ
霞む残り香 弄(まさぐ)りながら
伊吹颪(いぶきおろし)は 髪まで凍る
降る雪よ 落ちる雪よ
心まで ああ染めないで
旅はおんなの 覚悟の叫び
聴いてください 米原の雪

この先に 雪の先に
あの人が ああ待っている
雪の簾(すだれ)を 掻い潜っても
逢いに行きます 米原の雪
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