ひたむきな志~寄り添う心

「こうじゃ。えいっ!」
「えいっ!」

兄上はきっと 知らないでしょう?
わたしが追いかけたいのは あなたの背中
つよくなりたい 追いつきたい

「違う、よう見るのじゃ。はあっ!」
「はあっ!」

お前はきっと 知らないだろう?
私が凛としていられるのは お前の眼差し
しゃんと立つ背中を 見せたいのだ

寄り添ってくれるのか? この心に

ただひたむきに
ただ一心に
いつか来る
その時のために

「お前はなかなか筋が良いな。」
「へへ~ん」
「ならば……はあぁっ!」

「痛むか? 筥王」
「……痛くない!」

「痛くない痛くない痛くない!」

「…」

ただひたむきに
嘆く暇はない
ただ一心に
泣いてはいられない
いつか来る
いつか来る
その時のために
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