西陽がさす縁側で 洗濯物をたたみながら
あなたは何か 話してる 独り言のように

忙しいを言い訳に 随分帰らなかった
気がつけば 病気になって 痩せてゆくあなたがいる

握ったあなたの手は いつのまにか細くなって
枯葉を揺らす冷たい風に 小さく震えてた

物忘れも多くなって 目も弱くなり 杖ついたり
一人じゃ何にも出来なくなって 動けなくなるのかな

遠く暮らす私 あなたはここにひとり
戻ることはできない 引き取ることも難しい

私の顔 忘れたりするかな 私の声 忘れたりするかな
懐かしい写真の中 微笑む あなたにまた会えたなら

柱に刻んだ跡 叱られた壁の落書き
思い出が詰まったこの家に 知らない誰か住むのかな

手を繋ぎ歩いた道 わたしを呼ぶ やさしい声
あなたは わたしのふるさと
光に包まれている
あなた わたしのふるさと
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