まぼろし

未来の話をしようよ
君がうたう まぼろし
とてもよく晴れた朝のように眩しい

あたためながら
そっとつつんだ
指を開いてごらんよ
君がこれから見つけるものは
きっと君を待っているから

ただ白い雪が降り積もる 時間(とき)のように
足跡も埋め尽くして
ただ白い息が消えるまで 上を向いていた
泣きたいって言えなかった

見えないもの描くように
君をなぞる まぼろし
それはまだ咲かぬ花のようで儚い

一度壊れた時計の針は
ずっと進んでいたのね
振り返るのは今日で終わりにするから
もう一度
会いに来て
どこだっていい
迷わないように
ここにいると
君を閉じ込めた暗闇を照らす月になる

ただ白い雪が降りつもる 時間(とき)のように
サヨナラって溶けながら
まだ淡い夢だけが残る朝のように
もう少しって言いたかった

まっさらな道に足跡をつけながら
呼ばれたようにふと立ち止まって
ただ白い息が消えるまで 上を向いていた

どこかでまた出会える
だから泣かないって誓った
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