4月25日橋

それはあまりにも 突然の仕打ち
悪い夢に起こされた暗示のとうりよ
うまくできた喜劇 私はピエロね
三人芝居の わき役だなんて
すこしも気がつかなかったの
橋のたもとで 待ち合せした
あの夕暮れのときめき
肩を並べて歩く二人が ゆれる水鏡は
幸せしか映してくれなかったのに
ほんとの相手役は 美しいあの娘
あなたとの恋を打ち明けた 友達

今日も教会で 噂を聞いたわ
結婚式は オレンジが花咲く頃だと
水も時も流れ 私だけ一人
死ぬことさえ思って何度も
こうして 手すりにもたれたわ
古びた橋は 不思議な名前
“4月25日橋”
去年の4月25日は この場所で寄り添う
誰が見ても 仲の良い恋人だった
過去へ渡る橋が どこかにあるなら
めぐり逢うその前の 春へ行きたい
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