木曽の雨

深山しぐれが 霙に変わり
秋の終わりを 知らせます
恋の忘れ路 ひとりの旅路
あなた忘れの 旅なのに
今も 今も 心が揺れる
なんで泣かせる みれんの木曽の雨

バスを乗り継ぎ 山合の町
今日の泊りは 馬籠宿
格子造りの 家並が続く
雨の坂道 石畳
ひとり ひとり 思い出ばかり
濡れて哀しい みれんの木曽の雨

雨にけむった 木曽川沿いに
点(とも)る灯影(ほかげ)の たよりなさ
人の情けが 恋しい夜は
宿の女将の 優しさに
ほろり 涙 涙が染みる
心濡らすな みれんの木曽の雨
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