春雷

ねずみ色 取り巻く雲よ 嗚呼 真実を隠し続けて
恋は盲目というけれど 悲しいことは見えない方がいい

織り成される鮮やかな夢の世界 逃げ込むの
貴方の暗い罪に 心が呑み込まれるから

嘘で守って 嘘で守って やりきれない悲しみの刃から
傷ついていても 離れられずに 溺れていたの
もしも あの時貴方の過去を聞かなければ 今も寄り添っていたのに
もう元には戻れない

春雷が春を焼いていく 私に咲いた春を焼いていく
唇を噛んで 貴方の言葉で 心が焼けるのをただ眺めていた

深く潜って 深く潜って 火傷の残った心を閉ざして
傍にいれば幸せと思えた 春の幻
大切だった 憎らしかった 貴方を忘れたいと願う程
何故 想いも募るの

春雷が春を焼いていく 恋に捧げた全て焼いていく
貴方の傍では もう もう 私生きられないよ

嘘で守って 嘘で守って 広がっていく憎しみの脅威から
愛する程に 許せなくてもう 春は来ぬなら
どうか私が愛したままの 貴方を心に閉まって
私達 お別れしましょう
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