花時雨

これが最後になると知りながら
見送る 桜並木道
好きです とただ一言言えないままに
唇 噛み締めていた 花時雨

あなたと出逢って モノクロの街が
鮮やかに染まってゆく
ひとひらの秘密 肩にのせた
それはまだ見ぬ 不都合な真実

人はみな 悩みの中
人はみな 孤独の中
あなたには 希望の香りがした

これが最後になると知りながら
見送る 桜並木道
過ぎ去った真実(こと)は決して塗り替えられない
未来は変えてゆける 花時雨

『約束』という曖昧で身勝手なもの
あなたはそこにいますか?
足元に映る 滲んだ七色が
優しくも残酷に 微笑んだ

捜し当てた『正解(こたえ)』は
明日になれば違うかも
だからあなたの夢を見ていたい

これが最後になると知っていたら
僕には何ができたのだろうか
散りゆく花にそっと両手差し伸べて
優しく包み込んでいたい 花時雨

花びらのような 想い抱きしめて
蕾の数が増えてゆく
幻の華は 咲かず夢の中
桜吹雪に消えてゆく

これが最後になってもいいから
あなたにありのまま伝えたい
『やってしまった後悔』と
『やらずに終わった後悔』
as time goes by

これが最後になると知りながら
見送る 桜並木道
好きです とただ一言言えないままに
唇噛み締めていた 淡い恋
あなたを捜し続けた 花時雨
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