月に奏でるアリア

君が口ずさむ僕の知らない唄 風と交わった声をただ聴いた
熱が犇いた夜の道に澄み渡る君の声 月明かりは二人だけの照明

このままどこまでも行けたらいいねとか
太陽が昇るまで他愛ない話をしよう

指先で紡がれた宵闇のメロディ 唇で問い質した真実の残像
飽きもせず繰り返すのは疑いの裏返しか 言葉以上により確かな証明

このままいつまでも夜に溶けていたい
小鳥が囀るまで夢の続きを見てよう

僕ら多分 解り合えないまま 分かち合って生きていくのだろう
幕が下りるその最後まで人は一人だから
きっと君といたいんだなんてさ 思ってしまうんだろうね
それだけでもいいんだ なんて僕には言えやしないんだけどさ

欠けた月の形に沿って 白く浮かぶ君の頬を撫でた
一筋流れた涙の跡に映る夜空は 二人を二人でいさせてくれた

僕ら多分 解り合えないまま 分かち合って生きていくのだろう
幕が下りるその最後まで人は一人だけど
君といられる今だけはなんだか寂しくないんだ
君がいてくれればいいなんて僕には 言えやしないけどさ

でも夜が明けたら言ってみようかな
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