岩手山頌歌

あかつきの 光の中に
そびえ立つ 孤高の山よ
人の世の 汚(けが)れに染(そ)まず
人の世の 行方(ゆくえ)みつめて
ゆるぎなく 動かぬ姿
あゝ岩手山 わが心の鑑(かがみ)

蒼(あお)空の 彼方に浮ぶ
麗しく 雄々しき山よ
流れ寄り また流れ去る
白雲に 何を語るや
悠久の 時空(じくう)を生きる
あゝ岩手山 わが心の標識(しるべ)

夕空に 影絵の如く
ただひとり たゝずむ山よ
北上(きたがみ)の 流れに映(は)える
なつかしき 君の姿に
望郷の 涙は熱く

あゝ岩手山 わが心の友よ
×