さんざし恋歌

ひとりが寒すぎる
木枯らしの夜更けには
おまえの置き手紙
なみだ文字 思い出す
夢を追うのを あきらめる
あなたにはしたくない
白い便箋 さんざしの
花びらが 泣いていた

愛してくれていた
待つことで この俺を
あの時 あの部屋を
飛び出せば 間にあった
どんな想いを 噛みしめた
終列車(さいしゅう)のベルの音
凍る夜空に さんざしの
散りぎわを 見てたのか

たとえ小さな 暮らしでも
倖せでいるのなら
うわさ届けよ さんざしの
花の咲く 季節には
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