恋岬

凍える指に 息をふきかけ
待てば岬の 燈台(ひ)がともる
好きでひと秋、
待ってふた秋…‥
投げてもあなたに とどかない
胸の想いに 泣けてくる

都会の水に あなたは慣れて
羽根をのばして いるのでしょう
待ってひと秋、
泣いてふた秋…‥
恋する心の おろかさで
あなただけしか 見えません

季節が来たら 渡り鳥さえ
海峡(うみ)を渡って 帰るのに
泣いてひと秋、
痩せてふた秋…‥
着物の袂を 手でおさえ
しぼる涙が 雪になる
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