雪夜酒

宿の蛇の目傘(じゃのめ)に 身をよせあって
渡るこの世の 罪の橋
逢うが別れの いで湯の郷(さと)で
人目しのんで 燃える恋…
あなた酔わせて…酔わせて…雪夜酒(ゆきよざけ)

まわり道でも 倖せ探す
肩にひとひら 冬紅葉(ふゆもみじ)
寒くないかと 両手で包む
そんな情(なさけ)が ただ欲しい…
あなた泣かせて…泣かせて…雪夜酒

あれは始発の 汽笛の音か
こころ乱れる 虎落笛(もがりぶえ)
雪見障子を 背中で閉めて
すがる女の 夢ひとつ…
あなた抱いてて…抱いてて…雪夜酒
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