かたかごの花

春というのに 雪が舞う
辺(あた)り一面 うっすらと
小首かしげて 寒そうに
咲いていじらし 可憐な花は
誰を想って 咲くのでしょうか
春告げ草の かたかごの花

紅(べに)の色さえ 儚くて
なぜに寂しく 散り急ぐ
焦がれ焦がれた 人なのに
知っているのに 知らない素振り
誰を想って 泣くのでしょうか
春告げ草の かたかごの花

風に優しく そよぐ花
揺れる心も 今日限り
待っているのに 来ない人
泣いて忘れる この恋かなし
誰を想って 咲くのでしょうか
春告げ草の かたかごの花
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