望郷さんさ

さんさ時雨(しぐれ)る 傘のなか
指をからめて 夢をみた
あの日誓った ふたりの恋は
咲かずじまいの 石割り桜
いまも焦れて サーァ 望郷さんさ

二度と逢えない 人でしょか
時の流れに 身も細る
唄を奏でる 北上川よ
もしやもしやと 夜風がさわぐ
泣いてみたって サーァ 望郷さんさ

岩手お山の てっぺんじゃ
秋の終わりか 冬支度
胸の芯まで 凍てつく夜は
恋の破片(かけら)を 温(ぬく)めています
せめて夢でも サーァ 望郷さんさ
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