遠雷

おかしな話だ、両手に余るくらいに
僕ら、幸せなのになぜ涙を流すの?
おかしな話と笑い飛ばして欲しかった
そんな真っ直ぐな瞳で僕を見ないで

もしも僕たちがいつか離れ離れになるのなら
そのわけは僕らだけの理由であって欲しい

たとえ僕がどこか遠くの、僕らの知らない空の下で
君の名を叫ぶとしても、この想いは譲れない

馬鹿げた話だ、友達になれたかもしれない誰かを
傷付ける為に僕は生まれたんじゃないよ

もしも僕たちがいつか離れ離れになるのなら
そのわけは僕らだけの理由であって欲しい

僕らが今、居るこの場所の見慣れた景色と空の色
「当たり前」の、その儚さよ
心を揺らさないで

また遠くで雷の音がする
少し暗くなる空に胸が騒ぐ

もしも僕たちがいつか離れ離れになるのなら
そのわけは僕らだけの理由であって欲しい

僕らが今、居るこの場所の見慣れた景色と空の色
「当たり前」の、その愛しさを
かけがえないものとして

他愛もない紡ぎ合いも、他愛もない諍いさえも
消えぬように、確かめるように、永遠に寄り添えるように

おかしな話と笑い飛ばして欲しかった
だって子供達にでも解る事だから
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