帰りたい

落日のカナダに着き 焼けつく砂のあのカイロまで
思い出に負けたくない レースの幕は 落とされた
きっと 追いかけて来るはずなんて
空港 ゲートの前 ぎりぎりまで立ってた

もっと 自惚れさせてよ 自信をつけさせて
遠く 離れていてあげる
だんだん 研ぎ澄まされてく 貴方の幻が
忘れるためのルージュの手を 止めてる…

違った恋の気配が ふいの仕草にこぼれて見えた
あのとき私ひとりが 傷つくことを恐れたの
最初の男だけ なりたがるのね
だけど 時に女は 最後の恋目指す
もっと 自惚れ続ける “二度とは帰らない”
遠く 離れてみたけれど
だんだん 鈍く光りだす 二人のバランスに
心がアクセル踏み込む 昨日へ

もっと 自惚れさせてよ 自信をつけさせて
遠く 離れてみたけれど
だんだん ふくらみはじめた 独りよがりにもう
心がブレーキかけてる

やっと 見つけられたのは 素肌の確かさだけ
遠く 地平線に浮かぶ
きっと 答えはイエスでもノーでもないことは
わかりきってる だけどもう 帰りたい
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