パパのお弁当

ねぇパパ
二人きりで暮らしてもう9年になるね
パパ一人でここまで育ててくれた

ねぇパパ
明日の卒業式を迎える前の夜
パパに宛てて手紙を初めて書いています

ごめんね、パパ
新しいママは欲しくないなんて 言って困らせてた
ごめんね、パパ
パパを奪われるようで
いつも怖かった
それを今まで言えずにいたの
ごめんね、パパ

ねぇパパ
毎日お弁当を作ってくれてたのに
ケチャップで顔がつぶれて泣いて怒ったね

ねぇパパ
最初はお世辞にも美味しくなかったけど
卒業前には立派な名シェフになってたよ

「パパの子供に生まれてよかった」

ごめんね、パパ
パパにぶたれた日 あの時のパパの涙思い出すの
ごめんね、パパ
パパも苦しかったよね
謝れないまま
ずっと今日まで言えずにいたの
ごめんね、パパ

ねぇパパ
いつか好きな人がもしも現れたら
パパが今度は幸せになってね

ごめんね、パパ

ありがとう。
大好きなパパ
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