デロリアンドライブ

少し背が小さくて
笑えば色っぽくて
ふいに真顔になって
髪を直してくれた

意外に気が弱くて
時にずる賢くて
怒ると黙り込んで
目を合わせてもくれない

彼の車に乗って
どこへ行くでもなくて
イメージに寄り添って
無限のドライブしよう

フワッと浮かんで雲の中へ
乱気流に車体が揺れ
両サイドから鋼鉄の翼が生えて飛んだ
ソリのように滑り落ちる
分厚い雲が裂けてゆく
超えれば大きな満月が窓いっぱいに照らす
そこへ着いたらいつもキス

何でもアリなようで
こだわりが多くて
笑っちゃってごめんね
あまりにも可愛くて
こんな人は世界に
一人だけなんだって
恋の穴落っこちて
夢見ごごちのハイウェイ

トンネルは暗くガサゴソねずみ
コウモリの群れに睨まれて
黒い闇のカーテンが追いかけてくる
どうしよう

パアッとヘッドライト開き
光を撒き散らし走る
乱反射で目の前が燃えるように明るい
逃げ切ろう全速力で
この先は海へ繋がる
夢中で叫んで
二人は自由を手に入れるんだ

海に潜れば潜水艦になり
シャンデリアのような巨大クラゲ
ゆらゆら横切っていく
手を握っていようよ

フワッと浮かんで地球の外へ
宇宙船に姿を変えて
数えきれない星の瞬きを観て息を飲んだ
広がる銀河を駆けてゆく
流れ星になったみたい
星屑に手を振って
そろそろ街へ戻ろう
夕陽に染まる頬にキス
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