氷雨

飲ませてください もう少し
今夜は帰らない 帰りたくない
誰が待つと言うの あの部屋で
そうよ誰もいないわ 今では
唄わないで下さい その歌は
別れたあの人を 想い出すから
飲めばやけに 涙もろくなる
こんなわたし 許して下さい
外は冬の雨 まだやまぬ
この胸を濡(ぬ)らすように
傘(かさ)がないわけじゃ ないけれど
帰りたくない
もっと酔(よ)うほどに飲んで
あの人を忘れたいから

わたしを捨てた あの人を
今更(いまさら)くやんでも 仕方(しかた)ないけど
未練(みれん)ごころ消せぬ こんな夜(よる)
女ひとり飲む酒 わびしい
酔(よ)ってなんかいないわ 泣いてない
タバコのけむり 目にしみただけなの
わたし酔えば 家(いえ)に帰ります
あなたそんな 心配しないで
外は冬の雨 まだやまぬ
この胸を濡らすように
傘がないわけじゃ ないけれど
帰りたくない
もっと酔うほどに飲んで
あの人を忘れたいから
忘れたいから
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