放浪舟

旅の居酒屋 グラスを漕げば
こころ小舟よ 何処へ行く
胸に未練の 寒風(かぜ)を抱き
明日は竜飛か 下北か
行方定めぬ 放浪舟

酔って昔に 帰れるならば
外は吹雪が 吠(な)く夜更け
砕く思い出 冬の海
明日は津軽か 白神か
ひとりあてない 放浪舟

遥か沖には いかつり船の
灯りボンヤリ 目に沁みる
おれを許せと あやまれば
無理は止してと あのひとの
声がするよな 放浪舟
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