飛騨川しぐれ

一夜(ひとよ)かぎりの
旅の情けと知りながら
いのち一途に 燃えた女(ひと)
何処にいるのか… 飛騨川しぐれ
滲(にじ)むネオンの 湯の町ゆけば
揺れてせつない 面影よ

別れ惜しんだ
瀬音聞こえるあの宿の
庭に咲いてた 月見草
何処にいるのか… 飛騨川しぐれ
雨のしずくに 責められながら
ひとり飲んでる にがい酒

ひとつふたつと
消えて侘(わ)びしい路地あかり
泣いているよな 三味の音(ね)よ
何処にいるのか… 飛騨川しぐれ
髪の香りと やさしい温(ぬく)み
思いださせる 名残り月
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