酔恋花

どうにもならない淋しさを
まぎらすつもりの酒なのに
酔えば女の 愚痴になり
酔わなきゃ未練が尾をひいて
北の港の こぼれ灯に
かさねる面影 酔恋花

逢わなきゃよかった あの人に
言わなきゃよかった つよがりを
酔ったふりして 外に出りゃ
霙がいつしか 雪模様
消しておくれよ なにもかも
咲いても咲けない 酔恋花

恋して涙を 知るたびに
女はきれいになるなんて
雁が浜辺で 流れ木を
集めるみたいな夢さがし
さがしつかれて 躓いて
それでも春待つ 酔恋花
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